保険会社からの提示額5万円から交渉の結果118万円に増額した事案

1事故の発生

一時停止を無視して交差点を右折した自動車が、被害者が運転する自動車の前部に衝突しました。

2保険会社提示額

被害者に後遺障害の認定はされず、保険会社からは、金5万円の賠償額の提示を受けました。しかし、保険会社の提示額には、休業損害が含まれていませんでした。

3主婦(家事従事者)の休業損害

(1)休業損害とは
交通事故によってケガをした被害者は、ケガの治療のために、仕事を休まなければならない場合があります。事故から治療が終了するまでの間に、ケガの治療のために仕事を休み、そのために減ってしまった収入も、事故から生じた損害として損害賠償を請求することができます。この、本来であれば手に入るはずだったのに、ケガの治療のために休業し、手に入らなかった収入分の損害を、休業損害と呼びます。
(2)休業損害の計算方法
休業損害額を計算するために、まず事故の前の収入を基準にして、1日あたりの収入額を計算します。次に、仕事を休んだ日や遅刻、早退をした日等の、休業日数を数えます。すると、1日あたりの収入額×休業日数=休業損害という計算で、休業損害を算出することができます。
(3)被害者が主婦の場合
しかし、被害者が主婦などの家事従事者(家族のために家事労働に従事する者)の場合には、事故前の収入について、明確な金額を算出することができません。そこで、家事従事者の休業損害の計算の際には、賃金に関する統計をもとにして、労働者の平均年収から休業損害を算出することになります。

4交渉の経緯

保険会社からの提示額に休業損害が含まれていないことなどを指摘しました。

5交渉の結果

当事務所での交渉の結果、主婦の休業損害100万円を増額し、その他の損害費目の増額も含め、最終的には118万円の支払を受けました。

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